2022.01.08

動線だけで充分？新居での家事をシミュレーションしてみたら？

家づくり検討中です。子供が3人います。
妻もフルで働いているので水廻りを近くに配置し
動線が良いことは必須だと考えています。
他に何かアドバイスが有れば教えてください。

家事を出来るだけ効率的に済ませたい
多くのご家族の共通のご要望ですね。
特に子育て中であればなおさらです。

水廻りを近くに配置してある家を
一般的に「動線の良い家」と言います。

水廻りが近くにあれば十分なのか？
これを検証するには　実際に新居で行う「家事」を
「具体的にイメージしてみる」ことが大事です。

衣・食・住で家事を分類してみます。
そして　頻度が高いか？移動を伴うか？などを検討してみます。

まずは「洗う」について

今どき洗濯機は全自動ですし、ボタンを一度押せば、
最後まで皆さんが何かをしなければならないということは
ありませんので、特に気にする必要は無いと思います。

「干す」これについては…洗濯機から干し場への
移動が伴います。しかも濡れた衣類は重く力も要ります。

そして「取込み」「畳み」「収納する」
これについては干し場からWICなどへの移動が伴います。

「アイロン掛け」や「裁縫」という家事もありますが、毎日の洗濯と比べ
頻度も低いですからあまり気にしなくても良いでしょう。

こうやって考えると「洗濯機置場」と「物干し場」と「衣類収納」の
位置について近くにあることが大事だということが分かります。

例えば最近、1階に「物干し場」や「ファミリークロゼット」を
擁した間取りが多いのはこういう検討が進んだだと思います。

食材の買物（玄関→パントリー）食材の管理（キッチン→パントリー）
調理（キッチン）配膳（キッチン→ダイニング）洗い物・片付け（キッチン）

買い物は「週に１度まとめて」という方も要るでしょうが、それ以外は
「ほぼ毎日」と頻度は高いです。買い物以外は移動もほとんどありません。

対面キッチンも増えていますし、食器洗い器や電子レンジなど
便利な機械の力を借りながらのため動線を意識することは
あまりないのですが、問題は…衣に関する家事と

この食に関する家事の　二つの家事を同時に行うことになる
朝・夕の時間の忙しさです。

朝食の準備をしながら、お弁当を作りながら洗濯物を干すとか
夕食の準備をしながら、取り込んだ衣類を収納するというように
先ほどの物干し場・衣類収納と併せてキッチンの場所も重要になります。

「掃除」や「ゴミの分類」「ゴミ出し」というものになりますが、
こちらは　衣　や　食　と比べると　頻度も低く　動線は
あまり気にする必要は無いですが　分類したゴミを指定された
「ゴミ出し日」まで仮置きできるような場所があると便利です。

たとえば最近の「土間収納」を擁した間取りは
この辺りのことを意識しています。

具体的な家事をイメージして検討してみましたが
補足としては　移動をする時に、いちいち開き戸を
開け閉めしてというのは煩わしいので

動線上の建具は引き戸などで開け放ちやすいことも大事です。

それから動線そのものの広さも重要です。

例えば、両手に洗濯カゴを持って移動する時や
小さなお子さんを抱き抱えて歩く際も　少し広めに
廊下の幅を取っておくと便利です。

近くにあるという「距離」だけでなく　行き来する際に
「障害物が無く」余裕のある「幅が確保されている」か？
についても検討されることをお勧めします。