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見た目だけで決めて大丈夫・・・?住まいの屋根のカタチ


間取りはだいたい決まり屋根の形を決める段階で迷っています。
モダンな外観が好きなのでシンプルな屋根が良いかなぁと
なんとなく考えています。屋根の形で気を付けることなどありますか?

おっしゃる通り家の外観デザインについては
屋根の形によってモダンになったり和風になったり
印象が大きく変わりますので
施主様とすればやはり妥協せずに拘りたいところだと思います。

ただ『見た目』を検討する前に
そもそも屋根には大変重要な役割が2つあることを知ってください。

1,まずは何よりも『防水』ですね。
これは屋根形状について我々工務店がもっとも気にすることです。
お住まい頂いてからのメンテナンスのことを考えると、
とにかく「雨漏れ」のリスクが出来るだけ少ない屋根形状を
お勧めしたいです。

もちろん しっかりした材料で丁寧に施工するのは
当然で大前提だとしても

それでもやはり 入り組んだ 複雑な屋根よりは
シンプルな形状の屋根のほうが相対的に事故が少ないものです。
極端に複雑な形状となっている場合には注意が必要です。

2,次に『日射の制御』ですね。
日射しを取り入れたり 逆に遮ったり
これも この屋根の形状 と さらに 軒の出の量 に
左右されますので考慮が必要です。

それ以外の要素で言えば

例えば「太陽光発電システム」を搭載したいなら
当然 南面に傾斜した屋根面積を少しでも
広くとりたいでしょうから 一番有利となるのは
「南傾斜の片流れ」の形状でしょうし

ロフトを計画したいということで有れば
もちろん「小屋裏にスペースが確保できる屋根形状」
にする必要があります。

希望する「設備」や「間取り」にも
影響を受けるということですね。

それから信州の場合には『落雪』のことも
気に掛けて頂く必要があります。

もちろん専用の雪止め部材を
取り付けて対応することもできますが

それが効かないような特別な量の積雪
となることも考えられます。

ということで より根本的な
「どの方向への勾配とするか?」という検討も
重要だと思います。

お隣のお宅の庭や駐車場に落雪してしまい
トラブルになっている事例も 実際に少なくないですし

なにより運悪く人の上に落雪すれば大変危険です。

一方で、隣地への落雪を避けようとして
良かれと思って逆方向への「片流れの屋根」にしたのに
「お宅の屋根が高いせいで日当たりや眺望が悪くなってしまった…」
と 文句を言われることもあります。
(※もちろんこれは法規内で計画したにもかかわらずですが…)

こちらを立てるとあちらが立たなくなる…なかなか難しいところです。

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