「ニッチ」を設置する際の作法
見学会やインスタグラムでニッチのある家を見て可愛いと思い
新築する際には是非つけたいです。気をつける事はありますか?
具体的に家づくりを検討されている方であれば
あまり説明は要らないと思いますが念のためお伝えしますと・・・
ニッチとは「絵画や写真や美術品などを
設置するために作られた壁のくぼみ」のことを言います。
一言で「ニッチ」と言っても
色々なバリエーションがあります。
例えば形状については 一般的には正面から見て
四角形の物が多いですが 五角形やアーチ型などに
デザインされた物もあります。
それから「背面の仕上げ」については 通常の壁紙で
シンプルに仕上げた物や 逆にアクセントとして
色や柄を変えた壁紙を貼った物
それからモザイクタイルなどの
異素材を施工した物もあります。
そして「底板の仕上げ」についてはナチュラルテイストの
無垢材のカウンターを付けたり
人工的なアクリル樹脂のカウンターを取り付けたり
板は無しで壁紙でそのまま巻き込んで仕上げたり
背面と同様にモザイクタイルなどの異素材で施工する場合もあります。
こういったいくつかの要素の組み合わせによって
同じニッチでもガラッと印象が変わって見えます。
どちらかと言うとニッチそのものより
そこに置いたり飾ったりする物のほうを目立たせるために
シンプルに作る方が多いですが
全く反対の考え方でニッチそのものを
かなり目立つように装飾して仕上げる方もおみえです。
このように あらかじめそこに何を飾るのか?
どう見せたいのか?ということをよく考えておかないと
イメージと違ったなんてことにもなりかねません。
これはニッチの高さや幅という
大きさについてももちろん一緒です。
せっかく費用を掛けてわざわざニッチを造ったのに
結局あまり使えなかったというのでは寂しいですからね。
ちなみに費用的にはシンプルな物で1ヵ所あたり1万円程度です。
ただ先ほど紹介したとおり仕上げ方しだいでだいぶ異なります。
大工さんの造作にかかる作業量も異なりますし
モザイクタイルなどで装飾するのであれば その分の材料費や
左官屋さんの手間も必要になります。
さらに照明器具まで仕込むようなニッチも有りますが
そうなると電気屋さんの手間も必要になってきます。
ニッチは 基本的には「壁の厚み」を利用して造るスペースなので
木造住宅の場合 さほど「奥行き」は取れません。
柱の太さで決まりますがだいたい10センチくらいです。
もちろん 奥行の深いニッチを造るために
あえて わざわざ壁を厚く造ることも出来ますが
当然 それだけ お部屋の有効面積が狭くなってしまい
ちょっと贅沢なことだと思います。
それから壁の厚みを使って作るということも有り
どこでも好きな場所に作れる訳ではありません。
例えば、建物の外周面には 一般的に
断熱材が充填されていますから難しいです。
外周面でなくても 構造体としての筋交いがある場所などは
それをよけてニッチを配置する必要があります。
ということで 事前の検討が重要だと思います。
最後になりますがニッチはその形状から
ほこりなどが溜まりやすくなりお掃除する場所が
増えることになりますのでそれもイメージして
設置する場所や数を検討してください。