生活「音」問題について
現在、親世帯と同居するための家づくりを考えていますが
我が家には小さな子供もいるので生活音について
お互いにストレスにならないか?心配です。
親の空間と私たちの空間の間に防音材のようなものを
施工すると効果はありますか?
その他、何かアドバイスがあれば教えてください。
親御さんご家族との同居 信州では非常によく見られる
おうちづくりですね。で、生活音が心配ということですが
これも非常によくお聞きするお悩みです。
親御さんたちとお若い皆さんでは
きっと生活される「時間」にズレがありますからね。
親御さん達の就寝時間が お若い皆さんにとっては
まだ家族の団欒の時間だったり
逆に 年配の方は朝が早いので
休日に少し寝坊していたいお若い皆さんからすれば
音が気になってゆっくりできない
そんな風に せっかくのマイホームが気疲れや
ストレスの原因となってしまっては残念ですね。
ということで「防音材」とか「吸音材」とかを
住宅に施工することについては もちろんある程度は
効果が有るでしょうし ムダだとは言いませんが
正直に言えば それなりに費用もかかる割に
「それ単体では」劇的な効果は得にくいのが実際のところです。
木造住宅と比べると かなり音を伝えにくいと言われている
丈夫な鉄筋コンクリート造の集合住宅でも
近隣騒音のトラブルが絶えないことをみると
防音材などを付け加えるだけでは限界があると思います。
そもそも最近の住宅は断熱性能を高めるため
壁の中にビッシリと断熱材が充填されています。
また家そのものの隙間も少なく サッシの性能も高いので
家の外の音が入ってきづらいですし
逆に家の中の音も 外には漏れにくいです。
大きな道路沿いのお宅や 線路の近くのお宅を
実際に何軒か手がけましたが 窓さえしっかり閉めてあれば
かなり静かで 多少の雨などは降っていることに
気づかないこともあるくらいです。
ということは 逆に 家の中で発生した音が
そのまま家の中でかなり耳につきやすくなります。
で お話しを戻してどうしたら良いか? と言うと
今回の質問者様のご計画について親御さん世帯との住み分けの程度
これが詳しく分からないので少々ご提案しづらいのですが
とにかく防音材や吸音材「だけ」に頼って
なんとかしようとするのではなく
もう少し根本的な部分 それは「間取りづくり」
設計で お部屋の位置関係を工夫することで解消できないか?
も 検討して欲しいです。
例えば親御さんの寝室の真上 や すぐ隣り合う位置には
人間の動きが少なく そして 荷物や衣類が 吸音材としての
役目も期待できる「納戸」や「クローゼット」などを
音の緩衝帯として配置するとか
もし二階にも水廻りを計画するのであれば
排水音が気にならないように、配管の通る場所を
一階の水廻りの近くや やはり収納の中に設けるとか
また これは規模にもよりますがメインのリビングとは別に
サブリビングのようなものを用意して団欒時間のズレに対応するとか
自由設計の家づくりなのであればこういった検討自体はさほど
難しいことではないはずです。
何も考えずに 出来上がった間取りに何かを付け加えて
力技で 防音の処理をしようというよりは
あらかじめ 基本設計の段階から
こういった配慮を盛り込むほうがより効果的だと思います。