「心づけ」どうするべきか?
大工さんへの心づけってどのように考えればいいですか?
やはりある程度「お金」などを包むべきなのですか?
ほとんどの方にとって家づくりって「初めての経験」ですので
こういったご心配は多いようです。
家づくりの先輩である親御さんに聞いてみても
「少し包んだ方がしっかり工事してくれるんじゃない?」
というようなアドバイスをされて迷ってしまうとか…
そもそも 古くからの 日本での家づくりは大工職が「棟梁」と呼ばれ
瓦屋さんだったり 左官屋さんだったり 畳屋さん や 建具屋さんなど
様々な職種の職人さんを「段取り」をしていた訳ですが 現代の家づくりでは
その役を工務店が担っています。
工務店が全てを取り仕切っている訳ですから
個別に施主様から職人さんに心づけを渡す必要はありません。
そもそも住宅建築の現場で働くのは大工さんだけではありません。
もし大工さんに心づけを渡すというのであれば 基礎屋さん・板金屋さん
・電気業者さん・設備業者さん・内装屋さん・・・・全ての職種の職人さんに
同じように渡さなければバランスが悪いです。
そういうことの無いように施主様は工務店に
まとめて家一軒分の工事費をしっかり支払っている訳で
その工事代金に当然それぞれの職人さんの手間賃は含まれています。
さらに 建てる家の 設計や 仕様や 施工の精度については
最終的に誰が「責任を取る」のか?というと…もちろん工務店です。
だから 今の家づくりでは職人さん個人の考えや感情が
現場に入る余地というのはほとんどありません。
施主様からの心づけが有ろうが無かろうが工務店から依頼された
決められた内容の仕事を対価を得て その分きちんと全うします。
ただ そうは言っても大工さんも生身の人間ですので
施主様の実際のお顔や その家への想いが見えたほうが
より仕事に気持ちが入ります。
そのためにも たまには 現場に出向き その際に簡単な差し入れ
(お茶やお菓子)をお渡しするくらいがちょうど良いように思います。
そうすれば現場で実際に作業してくれている職人さんを労いたい
そんなお施主様の気持ちも伝わるでしょう。
ちなみに 私が 実際にお客様からお聞きした話で
大変ビックリしたことがあるのですが
ある住宅会社で家づくりを検討していた時に
大工さんに上棟の時に渡す金額が資金計画書に「お礼」として
あらかじめ書かれていたそうです。
それもなかなかの額(二桁万円)だったそうですが
そのお客様が「このお金ってどういうお金ですか?」と
確認すると 「(その会社に支払う)工事代金とはまた別で
直接 上棟当日に 棟梁に お礼 として 渡して頂くお金です」
と説明を受けたそうです。
これはもう完全に「心づけ」の範囲を越えてしまっていますよね。
「支払わなければならないお金」として金額まで指定されているのなら
工事費に入れておくべきですね。
細かいことを言えばそのお金について「そもそも領収書は出るのか?」とか
半分冗談ですけれども「脱税するつもりではないのか?」とか
これは真面目な話で お客様側からすれば住宅ローンの対象となる
費用なのか?そんなことも心配しなければならなくなってしまいます。
まあ それぞれの工務店 や 住宅会社によって
考え方も 言い分も違うのでしょうが
事前に検討段階でそのあたりの話も確認してみて違和感があれば
関わらないほうが無難でしょうね。