どうする 「卒FIT」???
新築した際に太陽光発電システムを
搭載しましたが、10年が経過したので
余剰電力の買取り価格が下がり
電気代が高くなってしまいました。
何か良い対策はありますか?
このような状況の方は多くて
「卒FIT」と言われています。
そもそもFITとは「固定価格買取制度」といって
発電した電気の余剰分を、一定期間、一定金額で
電力会社が買い取る仕組み
家庭用の場合、当初の10年間に限って
買取価格が高めで設定されています。
太陽光発電システムへの投資に対する
回収が予測しやすくなることで
その普及促進のために作られた制度です。
この当初10年のいわば「ボーナス期間」が
終了することが この「卒FIT」です。
いま2023年ですが ちょうど10年前の
2013年に約4キロの太陽光発電システムを
搭載したとすると
この10年間は自宅で消費しきれなかった
余剰電力をキロ38円で電力会社に
買取ってもらっていました。
しかし導入から10年が経ったので
固定価格での買取期間が終了し、
その結果、現在 中部電力の場合
プランにもよりますが
基本的にはキロ7円で
買取られることとなります。
長野県で4キロ程度の発電システムの場合
年間の総発電量は約5,000KWになります。
もちろん そのうち自宅で使わず、
どのくらい余らせて売電しているか?
がポイントとなりますが
経産省の「住宅の自家消費率は約30%」
という平均データをお借りし…
残りの約70%の約3,500KWを
売電していると仮定すると
キロあたり38円から7円へ
31円も価格が下がったとすると
1年間で売電額が約11万円も減り、
毎月の電気代に均せば
約9千円上がることになります。
これはなかなかのインパクトだと思います。
ではどうすれば良いかというと…
先ほどお伝えした平均30%と言われている
自家消費率を少しでも上げることに尽きます。
もちろん蓄電池を購入すれば、発電して
余らせた電気を売る代わりに、
それを貯めることができて
すべて自家消費できて話は早いのですが
やはり価格が高いのがネック
しかも蓄電池は普通の充電式電池と同じように
一定回数充電すると寿命を迎えます。
寿命を迎えるまで電気代がお得になった分で
蓄電池の購入費用を賄えるか?というと
残念ですがほとんどの場合無理です。
より現実的な方法としては
とにかく電気を使う時間を
「昼間」にシフトすること
せっかく作った電気を7円で
安く買い取られてしまうよりは
出来るだけ自宅で使い
約16円と比較的安い夜中の電気も
極力買わないようにすることです。
その肝となるのがエコキュート
今まで「深夜電力」で行なっていた
湧き上げを
昼間に行うことで
自家消費率を上げる方法です。
もちろんお天気に左右されるのですが…
最近は、天気予報の情報を取得し、
翌日が晴れの予報なら自動的に
夜間のわき上げを減らし
日中に太陽光発電の余剰電力を併用して
わき上げをおこなってくれる機種もあります。
これから新築をされるという方は
こういう機種を選ぶのもおススメですし
すでに古いエコキュートを使われているなら
ちょっと力技ですが エコキュートの時計を
昼夜逆転させて設定することで
昼間の電気で湧き上げができます。
次の日の天気予報を気にしておき
太陽光での発電が期待できなさそうな日だけ
前夜のうちに手動で湧き増しさせておけば
購入しなければならない
昼の高い電気を減らすことができます。