勝手口見かけなくなってきた…その理由
最近の家って「勝手口」をあまり見かけない気がします。
流行りなのでしょうか?無くて不便じゃないんですか?
まず、そもそも「勝手口」って何のために必要なのか?
その目的を考えてみたいと思います。
よくお客様が希望される理由は3つ
1、キッチンから直接ゴミを出すため
特に匂いのする生ゴミとか
場所を取る空き瓶、空き缶、ペットボトル
についてです。
2、土の着いたお野菜なんかを
外に置いておいて、キッチンから
必要な時に取りに行くため
3、お買い物から帰って来たら
直接キッチンに入っていくため
というところです。
たしかにこうなると便利そうですよね。
しかし、ただ勝手口を付けただけだと、
そういったイメージ通りには実際には
使えないことも多いので注意が必要です。
どういうことか?それぞれのケースについて
解説していきます。
ゴミを外に出すため…ということに関してですが、
ということは勝手口を出た、その先には、
野良猫、ネズミ、カラスなどに荒らされてしまわないよう
それなりの「小屋のようなもの」が必要になるでしょう。
ただ、小屋まで…となると結構、大ごとですし、
位置によっては家の外観の見栄えも
悪くなってしまうかもしれません。
土の付いたお野菜なんかを置いておき、
取りに行くという件も、1のゴミの件と同様ですが、
野菜を格納しておく物置的な物が必要かと思います。
さらにこの両方のケースとも、
キッチンから外に出ていくことを
イメージしてもらうと分かると思うのですが、
当然サンダルなどの屋外用の履物が必要になります。
その履物が外に置いてあったりすると、
いざ履こうと思った時に、雨に濡れてしまっていたり、
信州なんかですとその上に雪が積もっていたり
することも有ります。実は外に出づらいということが多いのです。
そんなことにならないようにするためには、
玄関と同じの様に、勝手口のところにも
内土間を造る必要が有ります。
「履物」を、家の外じゃなくて家の中に置くスペースが
必要になります。しかし、実際に家を建てる際には
そこまでスペースがなかなか取れないということも
現実問題としてあります。
お買いものから帰ってきたら直接、
勝手口からキッチンに入りたいから…
ということが有りましたが、
買い物してきた荷物を両手に抱えて入ろうとすると
実は勝手口のドアというのは意外と狭いのです。
かといって勝手口に玄関と同じようなサイズのドアを
用意するのは資金的にもスペース的にも難しいです。
結果、意外と狭い使いづらい物になってしまっている
ということですね。
また補足的な話になりますが、壁と比べると、
ドアというのは、やはり断熱性能が少々劣ります。
開閉する(動く)部分ですし、素材的にもガラスの入った
サッシとなりますので仕方が無いですね。
もし、先ほどあげた3つの目的を叶えるのであれば、
勝手口の代わりとして
ゴミの問題を解決するなら
「生ゴミ処理機」を置かれることだったりとか、
ダストボックスを置けるスペースを
建物の中に確保することのほうが現実的かもしれません。
そして、野菜置き場だったりとか、
お買い物から帰って来た時の動線のことを
気になされるのなら、もっと根本的に間取り自体を
工夫してしまって、メインの玄関からキッチンまでの
動線が良い間取りというのを考えてみるほうが良いのかもしれません。
勝手口というものに関してお話してきましたが
実際に使い勝手が本当に良いのか?
その他に代わりの方法が無いのか?
と考えた結果
今は情報が多い時代ですので、
実際に建てた方が、あまり便利に使っていないなら…
ということが分かり「付けていない家が多くなった」
のかもしれないですね。