40年ローンは活用するべきなのか?避けるべきなのか?
40年返済の住宅ローンも有ると聞きました。
現在26歳で 支払い完了時は67歳となりますが どう思いますか?
これまで住宅ローンの返済期間は最長で35年までの物が主流でした。
ちなみに私がこの業界に入った30年前は住宅を手に入れる方の多くが
今のフラット35の前身の「住宅金融公庫」を利用していましたが
その時は最長で30年までの物が主流でした。
工法や建材などの進化で住宅の耐久性が上がっていることも
前提条件として考えられると思います。
で ご質問の本題ですが
とても単純ですが まずは「超長期のローンを活用すること」が
どういうことなのか?を確認しておきましょう。
まずは ローンを長く組むと
返済年数が長くなり 返済回数が増えるので
毎月の返済額を低く抑えられます。
当然ですね。 その逆で
返済期間が長くなるぶん 金利負担が増えて
返済総額は高くなります。これも当たり前ですね。
ちなみに実際にどのくらい違うのか?
具体的な数字を挙げて確かめておくと…
あまり複雑にしても分かりづらいので
借入額:3,000万円 返済方法:元利均等方式
金利:1.5%(全期間) ボーナス返済は使わない
というシンプルな条件にして
返済額をシミュレーションしました。
まずは 返済期間「35年」の場合
毎月返済額は91,855円となります。
総支払額は×420カ月となり約3,858万円となります。
次に 返済期間「40年」の場合
毎月返済額は83,151円となります。
総支払額は×480カ月となり約3,991万円となります。
金利変動は考慮しない あくまで「たられば」の試算ですが
同じ30,000,000円というお金を借りて
毎月の返済額は40年返済の方が35年返済より約8,700円安いですが
総返済額は約133万円増える・・・
事実としてはこれだけのことです。
あとは これをどう解釈し 活用するのか?
それとも避けるのか?ということになります。
この差の「5年間」は
「ローンを返さなければならない期間」
と考えることも出来ますし
同時に「マイホームに住める期間」と捉えることもできます。
5年間という時間を 133万円で買ったとすると
1か月に直すと・・・
133万円÷5年÷12カ月 = 約22,000円となります。
ご質問者様の現在の住居の状況にもよりますが
例えば 月額10,000円位の負担で社宅に住めているとか
光熱費だけ入れて無料で実家に間借りしているとかであれば
その間に もう少し自己資金を貯めて
借入額そのものを減らせば
長期で借りる必要すら無いかもしれません
逆に 家賃を7万円も支払ってアパートに住みながら
マイホームの為の自己資金を貯めるのは至難の業でしょうから
早くマイホームを持ち 期間は少し長くなったとしても
「住みながら返済する」ほうが合理的と考えられるかもしれません。
ただ いずれを選んだとしても
注意して頂きたいことがあります。
それは マイホームを長期間 快適な状態で
維持するためには それなりにメンテナンスが必要で
それには かなりの費用が掛かります。
こういった源資は長期間かけて計画的に蓄える方が適しています。
こういった「メンテナンス貯金」も
しっかり続けられる返済計画が必要です。