知らないと怖い「地盤」の話
「地盤調査」というのは誰が行なうのですか?
また万が一の時の「地盤の保証」というのは
誰がしてくれるのですか?
「地盤調査」とその「保証」について
たしかにどんなに頑丈な建物でも地盤が悪ければ
まったく意味がありませんから気になりますよね?
ちなみに現在、住宅を建築する際には
「地盤調査」を行なうことは義務になっています。
※建築基準法第38条施工例で定められています。
で、ご質問の件…
まずは「誰が調査を行なうか?」ということですが
私どもアトラスホームのような地元工務店の場合は、
たいてい「それを専門としている大手地盤保証会社」
に依頼しています。
調査自体の「精度」が求められますので
専門の機械 と それを扱う技術が要りますし
さらにもっと重要なのは
調査したデータを正確に解析し
判断する高度な専門知識が要るからです。
逆に、大手ハウスメーカーであれば
規模的に自社の中にそういう専門部署が有って
その人たちが地盤調査を行ない
改良工事の要・不要を判定することが
多いようです。
で、万が一の場合の補償については
当然ですけれども
この「調査」「データ解析」
そして「改良が要るか?要らないか?の判定」を
行なった会社が行ないます。
つまり地元工務店の場合は
たいてい「大手地盤保証会社」が保証をし
大手ハウスメーカーの場合は
その大手ハウスメーカーが
保証をすることになります。
これらのどちらが良いか?は
一概に申し上げることはできません。
第三者的な公正・中立な立場で
調査や判定する機関のほうが良い
という声も有りますし
調査・判定・施工・保証までを
一貫して責任を取るほうが安心で良い
という声も有ります。
それぞれにメリットも逆にデメリットも
あるということだと思います。
いずれにしても大事なのは
「適正に」行われた地盤調査の結果を基に
そのうえでなされる「判断」が
やはり「適正なもの」であるか?そうではないのか?
ということです。
「適正でない判断」ってどういうこと?
と思われる方も多いかもしれません。
具体例が有ったほうが分かりやすいと
思うので、地盤調査と地盤改良工事について
よく言われる「適正でない例」を二つ挙げます。
一つ目は…
・本来であれば「不要」な「過剰な」
地盤改良工事を要求される そんなケースです。
もう一つはその真逆ですね。
・本来は地盤改良工事が必要なのに
「不要」だと判定されるというケースです。
どうしてこんなことが
起きてしまうか?というと
前者の場合は、
たとえば予算に余裕が有るお客様の場合
建築会社はその地盤改良工事を受注することで
売上も利益も増える
…つまり「より儲かるから」ですね。
後者の場合は逆です。
予算がギリギリで限られたお客様の場合
地盤改良工事を行なうことになれば
家づくり全体の予算がオーバーしてしまい
そもそもの建物も受注できなくなってしまう
…つまり「どうしても仕事が欲しいから」
ということです。
前者は「念のためのより安全値をみた設計をしている」
そんな風に、あえて好意的な見方をすれば
施主様の経済的負担は増えてしまいますが
かならずしも悪いことばかりではないですが
後者の場合はもう最悪ですね。
いずれにしても住宅会社側の利益の為に
お客様の住まいづくりの「安全性」とか「経済性」が
ないがしろにされてしまうのは非常に残念ことです。
これから家づくりをされる皆さんは
念のため、こういうこともあるかもしれない
ということを知っておいてください。