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マイホームに全館空調を導入するなら 知っておきたいこと


最近 家を建てた友人達に聞くと
「全館空調」を入れた家と入れなかった家に二分されます。
入れた人は快適で良いと言いますし、
入れなかった人は建築会社からお薦めでないと
言われて辞めたケースが多いようです。実際どう思いますか?

まず はじめに・・・「全館空調」って
もしかすると最近の発明みたいに思われている方も
いらっしゃるかもしれないですが、

実は 私が大手のハウスメーカーで勤めていた
25年位前から既に商品として存在していました。
大手の家電メーカー製のものです。

で、ご友人が「快適」だと仰っているのは
ウソではないと思います。
家全体を均等に冷暖房しますので当然です。

リビングから各個室とか、トイレや
クローゼットなんかに移動しても
一定の温度が維持されていればそれは快適ですよね。

ただ家じゅうの全ての部分を機械の力を使って
同じ温度にしようとするのですから仕方ないですが
電気代はそれなりの額になります。

建築会社があまり薦めないのは
それが分かっていて お客様の家計を心配して・・・という
配慮の様な気がします。私もそうだからです。

どちらかというと大手メーカーの営業マンなどが
セールストークとして簡単かつ詳しく分からない
お客様に受けが良いので薦めている印象です。

ですが実は本当に心配なのは 一番厄介なのは
このランニングコストよりも

維持管理そして修理という
メンテナンスコストだと私は思っています。

例えばダクトにたまったホコリにカビが
発生しないよう清掃を定期的に行なう必要がありますが

壁掛けエアコンのように施主様ご自身で
簡単にできませんから業者に依頼する必要があります。
フィルター交換にもそれなりの費用が掛かります。

それと家にセットされているので何となく
永くもつように誤解されるかもしれませんが
要は電気製品ですから寿命は10年~15年です。
普通の壁掛けエアコンや洗濯機とか冷蔵庫と同じです。

故障した場合も どこの家電屋さんでも売っている
汎用品とは異なり 部品が高いですし

高いならまだマシで 最悪 部品が無いから直せない
となれば、完全に入替えとなり相当な費用となります。

その結果 壊れた動かない全館空調が付いた家に
普通の壁掛けエアコンが新しく追加されて
取り付けられている…そんな光景も目にします。

こういった先々のお金のことを本当に
分かっていて 覚悟しているお客様であれば
余計なお世話と思われるでしょうが
意外とそういう方は少ないです。

目先のメリットばかりに目を向けさせられて
先々のデメリットを知らされずに
決めていなければ良いと思います。

ちなみにその他のデメリットとしては
例えば 乾燥しすぎる という声もありますが
これは個別のエアコンでも一緒ですし

各部屋で異なる温度設定をしたい場合に不向きとも
言われますが、いくら家族でも
年齢や性や体格が異なる生身の人間が
全員快適な温度が同じ訳がなく

1枚余計に羽織るとかの調整くらいは
どんなに快適になった家でも多少は必要だと思うので
決定的な弱点だとは思いません。

最後に そもそもの話にはなってしまいますが・・・
全館空調だろうが 個別の部屋ごとの空調だろうが
機械ありきで考えるのではなく

日照を入れたり 遮ったりのかなめとなる
窓の選択や配置

そして 熱の出入りの大きい玄関部の
位置決めを含めた基本的な設計や

断熱や気密の性能をしっかり出す
基本的な施工が 大前提なんだと
そこを疎かにして空調の検討というのは
どうなのか?と思います。

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