解体工事からはじまる「家づくり」・・・その注意点は?
昔、祖父が住んでいた古い空き家を取り壊して、
家を建てることになりました。解体工事をする時に
気をつけておくことがあれば教えてください
古い住宅のお建替え工事ということですね。
基本的に新居の住まいづくりを任せる住宅会社に
取り壊し工事のほうも併せて請け負わせると思いますので
具体的な段取りだとか細かな手配については
特にご心配はないかと思います。
そのうえでお施主様ご自身が「自分事」として
考えておくべきことが3つほどあります。まずは
家庭ゴミ(粗大ゴミ)として捨てることが出来る
要らなくなった家具や布団について
あらかじめ自分たちで出来る限り処分しておくこと
建物本体を取り壊す際の廃材は「産業廃棄物」として処理されますが
一方で家具や布団は「一般廃棄物」となり、こちらは通常のゴミとして
お施主様自身で処分することが可能です。
もちろんそれらを「産業廃棄物」として処理することも
不可能ではないですが費用的な負担が相当大きなものになってしまいます。
今回の新築計画では間取りを決めたり設備や仕様を決めたりする
「打ち合わせ」にそれなりの時間を要すると思います。
その期間を活かして出来る限り自分たちで処分を進めて下さい。
「一般廃棄物」は無料で、市民が、ゴミとして
捨てることが出来ますのでムダなお金を節約することができます。
そして次に
ご近所の皆さまへの事前の十分な説明とご挨拶
これも新築する業者のほうでリードしてくれると思いますので
あまり心配はいりませんが、念のためお伝えしておきます。
逆の立場になって考えてみるとよく分かることですが、
更地に新築だけを行なう工事と比べると 解体工事というのは、
そこで発生する「騒音」や「振動」や「ほこり」など…
想像に容易いですが、決して歓迎されるものではありません。
実際にかなりの迷惑をお掛けしながら、
ご近所の方にはそのことをご容赦頂きながら進めることになります。
もちろんたいていの場合は、前提に良好なご近所関係が有れば
「お互い様ですから・・・」と受け入れてくれるでしょうが
それも今回の新築工事の主体であるお施主様自身が、
直接、お願いをしておいてこそ だと思います。
同じ「騒音」「振動」「ほこり」も業者任せの挨拶だけで
済ませてしまうとトラブルの原因となりかねませんし、
解体工事でそのようなボタンの掛け違いがあると、
新居が完成した後の新生活にも悪い影響が出かねません。
快適な新居での暮らしもご近所との良好な関係が有ってこそ
ですので、その挨拶はきちんと行っておきましょう。
そして最後に
取り壊し前の「お祓い」について
これは新築工事の際の「地鎮祭」にも共通しますが、
宗教的な物でもあり任意ですが ご親族の間で
しっかり話し合いをしておきましょう。
特に井戸や神棚、お仏壇がある場合には、
工事のあとご親族の中で病気やケガをされた場合などに、
「あの時…」などというような苦い思いをすることにも
なりかねません。
最後になりますが、解体工事は、新しく何かを造るという
新築工事と比べますと いま在る物を無くすという工事ですから
「少しでも安く」という発想になりやすいです。
その結果、工事金額が抑えられ、粗雑な業者による、
粗雑な工事が起こりやすい状況になります。
冒頭にお話しした通り、新居の工事を任せる業者に併せて
お願いするのであれば そのような心配は要りませんが、
施主様のご手配で、施主様が直接 解体業者を
段取りするような場合はくれぐれもその辺りにご注意ください。