繰り上げ返済の意外な落とし穴
住宅ローンについて
できるかぎり「繰り上げ返済」をしたほうがトクだよ
と言われました本当ですか?
「繰り上げ返済」についてはその通りです。
しかも、できるだけ早いうちに行なったほうが
効果が高いです。 住宅ローンって
額が大きくて返済期間が長いので
多くの方が「元利均等返済」という返済方法を選びます。
この「元利均等返済」って最初のうちは
利息を多く払っていてそのぶん元金の減りが遅いんです。
もちろん金利とか借入年数によりますが、
具体的な数字が有った方がイメージしやすいと思うので
例を挙げると・・・
ざっと毎月8万円 住宅ローンの返済するとして
そのうち元金に充当されるのは4万5千円くらい
残りの約3万5千円が利息というわけです。
その一方、「繰り上げ返済」で入れたお金って、
それが直接、元金の返済のほうに当たるので
節約の効果が大きくなるという訳です。
ちなみに繰り上げ返済には2つの方法があります。
「期間を短くする方法」と
その後の「毎月の返済額を減らす方法」です。
月々の家計をラクにしたいのか?
住宅ローンが終わる時期を早めたいのか?
それによってご家庭ごとに選んで頂きます。
ただ、この「繰り上げ返済」には少し注意が必要です。
とにかく借金が嫌いだという方に多いのですが
「繰り上げ返済」することに熱くなってしまって
手元資金に余裕が無くなってしまう方もたまに
お見受けします。
夢中に、無理して、必死で、
「繰り上げ返済」するという方ですね。
これの何が良くないかというと
以前に「住宅ローンには基本的に
「団体信用生命保険」がついている」
とお伝えしましたが・・・
一家の大黒柱に万が一のことがあった場合に
住宅ローンは帳消しになります。
そうです。感の良い方はお気付きですよね。
もちろん「たられば」ですが
繰り上げ返済しなかったとしたら、
残債が帳消しになるだけでなく、
手元にさらにその分の現金も残せた
ということなのですね。
借入をした人に万が一のことがあったとすれば
手元資金を切り詰めてまで行なった
繰り上げ返済が全くの無駄になってしまう
ということなのです。
家は団信で残ったかもしれませんが、
手元の現金が心許ない…では困ります。
分かりやすいように
あえて極端な例を挙げましたが本当のことです。
適正な額であれば、
住宅ローンの様な計画的な借金というのは
決して悪いものではありません。
むしろ損か得かという軸だけで
考え過ぎるのは危険です。
物事はやはり全てバランスが大事ですね。
くれぐれもお気をつけください。