「平屋」ってどうよ?
「平屋が良いなぁ~」と思っているのですが
贅沢だと皆から言われます。どういうことですか?
平家・・・たしかに良いですよね。
私も憧れます。やはりとても暮らしやすいです。
上下階の移動が要りませんので当然ですが・・・
まあマンション住まいの方は皆さんそうです。
私自身も、実家はマンションで
もともとマンションで生まれて育ったので、逆に
子供の頃は、友達の一軒家の階段が羨ましかったです。
戸建の2階建ての家の上下階の移動って、
正直なところ若い時はどうってことないと思います。
ただ、やはり歳を重ねて足腰が少し不自由になったり
体力が落ちてからのことを心配して…
やはり平屋が良いなぁという方が増えています。
で、本題です。平家は贅沢だというのには
大きく2つの理由があります。
まずは1つ目、それは単純に平家を建築しようとすると
敷地もそれなりに広く必要になるからです。
もちろん
「土地はもともと持っているよー」
とか
「広い土地が安く購入できる
のどかなロケーションだよー」
というなら、あまり気にしなくても良いでしょうが
土地も購入しなければならないご計画で
さらにそれが都市部であれば
広い敷地を用意するという事は
やはり経済的に負担も多くなりますからね。
それから2つ目は・・・家の建築費についてです。
なぜか?と言うと単位面積あたり
例えば1坪あたりの建築費が
2階建ての家と比べて平屋は割高だからです。
ほとんどの方がご存知だとは思うのですが
念のためご説明します。
例えば、同じ30坪の面積の家を建てるとして
極端な例のほうが分かり良いと思うので
あえて総2階の30坪のおうち…
この場合、基礎は15坪分の大きさ、
屋根も15坪分の大きさがあれば
建物として成立します。
しかしこれが30坪の平屋であれば
基礎も屋根もそれぞれ30坪分必要です。
基礎とか屋根・・・その役割からみても
住まいにとって、とても重要な部分になります。
住まいで重要じゃない部分なんてないのですが
それでも
家を支える構造的な要の部分である基礎と
強烈な日差しや雨や雪から家を守ってくれる
要の部分の屋根
この基礎と屋根が同じ広さの空間を
構成するために2倍も必要になる
これが、平屋が高くなる原因なんですね。
日頃の家事を含めた暮らしやすさ
老後の暮らしへのご心配などから皆さまが
平家を望まれるお気持ちはよくわかります。
一方で経済的に安全な家づくりを進めて
いただくことも、やはりとても大事な事ですので
例えばお子さんのお部屋や納戸など
使用頻度が少ない空間だけでも
二階に上げてしまうとか
階段をとにかく緩やかに設計し
上下階の移動が少しでも安全にラクに
できるようにすることも1つの考え方かなと思います。
それは詭弁と言われてしまうかもしれませんが
安全な家の中での、安全な形状の階段であれば
その上り下りというのは捉え様によっては
いつまでも健康的に長生きするための
足腰を鍛えるためのトレーニングとしても
考えられるかもしれません。