「さぞかし、良い家なのでしょうね・・・？」

私がまだ大手ハウスメーカーの社員だった
28歳の時に自宅を建てたこと、
そして、その価格が社員価格でも約60万円／坪
だったことを話すとお客様は必ずと言っていいほど
「さぞかし、良い家なのでしょうね・・・？」
と言います。

私は「今のアトラスの家のほうがよっぽどいい家ですよ！
金額は約20万円／坪も安いですけど・・・」と答えます。
誤解しないでください。これはコマーシャルではありません。
「大手の家が高いだけの家だ」と言いたいのでもありません。
「14年という時間は残酷だ」と言いたいだけです。
この間の住宅設備・建築材料・建築工法の進化・改良によって、
現代の40万円／坪の家のほうが、14年前の60万円／坪の家より
良い家になったというだけです。
もちろん住宅だけではありません。パソコン、携帯電話、車
なんでも一緒だと思います。常に新しいもののほうが、性能が
良くなっていると思います。これは今後も続くことだと思います。
しかし、住宅は最新でなくなったからといって簡単に「買い替え」は
できません。だから、築後に手を入れながら性能を維持していく
必要が有ります。そしてそれにはお金が掛かります。
しかし多くのお客様が、大手メーカーさんの建てる家や
初期費用の高価な家は、メンテナンスが要らない！と誤解をされています。
残念ながら、「絶対に」そんなことはありません。実際に私も60万円／坪の
住まいに14年間も住んでいますが、その間にボイラーも壊れたし、
ユニットバスから水漏れしたし、洗面化粧台も傷んで入れ替えたし、
照明器具はほとんど基盤が壊れて新調しました。さらに、外壁も
色が褪せてきましたし、窓も結露がひどいので対策をしたいと思っています。
車に置き換えれば簡単に分かるのですが
ベンツが高級車だからといって、オイル交換が不要（！）
なんてことはないですし、古いタイヤでずっと走っていれば
やはり危険なのです。
もちろん、どんな家を建てるのもその人の自由です。
ブランドもデザインも性能も・・・お好きなものを
選べば良いと思います。
ただ、どんな家を建てるとしても
絶対に「家を維持管理していくために必要なお金」
の存在を意識しておく必要があると思うのです。
住宅ローンの返済をしながら、リフォームローンを・・・
というのはなかなか大変なことです。
だから、私は、資金計画をお手伝いしたお客様達には
5,000円～10,000円／月の「メンテナンス積立」を
お勧めしています。家を持つと「固定資産税」を払いますが
同じ感覚で、家を手に入れたことで掛かる必要経費だと考えて
「家計」の中に組み込んでおければ安心です。逆に言うと
それが出来るくらいのローン返済額に抑える必要があるのです。
ギリギリの返済額でローンを組んでベンツを手に入れたけど
オイル交換もままならない・・・とか、ガソリン代が無い・・・
なんておかしいですもんね？