無垢材?集成材?
「木造の家を建てるつもりです。
無垢材と集成材ではどちらが良いのですか?」
これは一概にどちらが良いとは言えません。
それぞれに「長所」と「短所」が有ります。
■使う部分、
■使う用途、
■コストをどのくらい掛けられるか?
などの条件によって
どちらが向くか?は変わってきます。
ただ、質問者さまは、おそらく
「化粧材としてではなく
構造材として用いるのなら」
そして
「神社仏閣や公共建築物ではなく
個人が住宅を建てるのなら」
そして
「お金に糸目は付けないという家づくりでなく
一般的なご家族の安全な予算内で」
という条件のもとに問われているのだと思います。
そうだとすると
■強度性能のバラつきが無く安定している
■反り、ねじれなど狂いが少ない
■自由な寸法、形状の部材が製造できる
等のメリットから「集成材」に分が有るように思います。
無垢材には集成材のメリットと逆のデメリット
■同じ樹種でも強度にムラが有り
■反りや、ねじれが発生しやすく
■長いスパンの梁桁が用意しにくい
があるので建築業者としては使いづらいです。
もちろん無垢材の長所として
■化学物質を使わないので安心
■接着が無いので長寿命
ということはしっかり認めたうえで、
集成材と同じ性能が得られる
「無垢材」を用意しようとすると
コストが非常にかさんでしまいます。
フツーの方にとっては経JS済的な意味での
安全な家づくりというのが出来なくなります。
逆に「集成材の弱点は?」と聞かれれば
「接着剤の経年劣化」が挙げられると思います。
ただ、実際には集成材が
この世に登場した頃に使用された
今のJAS規格には全く適合できないような
耐久性の低い接着技術のものでさえ
50年、70年の時間を経て、現在も
使用されている建物が数多くあります。
ということは、使われる「集成材」が
接着剤の選択、木材の調整、接着材の調整、
温度や湿度などの接着環境条件
これらについて
厳しい現行のJAS規格を満たした
「集成材」なのだと仮定すれば
一般的な使用環境なら当然50~70年以上は
耐久性を持つと考えることが出来ると思います。
先ほど上げた「個人住宅」という
前提条件を考えれば十分な耐久性かと思います。
もちろん「集成材ならなんでもOK!」
ということはありません。
接着性能、強度性能、ホルムアルデヒド放散量
といった検査項目にきちんと合格した、
JAS規格を満たした品質を保証された
集成材であるか?を確認することも忘れないでください。