外壁塗装の訪問販売がやってきた!
築30年ぐらいの実家ですが かなり壁が傷んでいるようで
リフォーム会社が頻繁に訪問営業に来ます。
「このまま放置すると建物に水が染みて骨組みまで腐り
取り返しのつかない状態になる」と言われたそうです。
両親は不安になっているようですが…それは本当でしょうか?
またこれから新築するような今どきの家も
そういう塗替えは必要になりますか?
ご実家を実際に見た訳ではないので何とも言えないですが…
そもそも「訪問販売」業者には気をつけましょう。
外壁塗装に限りませんが リフォームのトラブルの
消費者庁への相談案件のほとんどが「訪問販売」に関するものです。
もちろんすべてが悪い業者とは言いませんが
基本的にうまい話が向こうからわざわざやってくることはありません。
ご実家にされたのは その訪問販売の典型で
ある程度お金を持っていて 比較検討して判断するのが難しい
ご高齢の方に対して行われます。
さらにたいていの場合
「屋根がかなり傷んでいて このまま放置すると雨漏りする」
とか
「外壁に大きなひび割れがあって 雨水が侵入して建物の中から腐ってしまう」
そんな風にやたらと不安を煽りたてます。
もちろん本当のことを言っている場合もありますが
そこまで緊急性が無いものを
かなり大袈裟に言っていることがほとんどです。
「今すぐやらなければ」という気持ちにさせ
契約を結ぶためのトークである場合が多いです。
ご実家の場合もまったくこの通りですので
少々怪しいかもしれないですね。
さらに、一例ですが まず200万円から300万円くらいの
見積もりを出し こちらの反応を見ながら
「足場代をサービスしますので150万円で良いですよ」
そんな感じで大幅に値下げしてくる可能性もあります。
消費者側の知識が無いのを逆手にとって
子供だましですが通常相場にあらかじめ
値引き分を上乗せしておいておトク感を演出する手法です。
もちろん実際は全くトクではありません。
また「本日ご契約頂ければ通常の半額にします」とか
「今、ご契約頂ければ特別キャンペーン中ですので
大幅に値引きできますよ!」という感じで
すぐに契約するメリットを話し
契約を結ぼうという手口が訪問販売には非常に多いです。
これは他社で相見積もりを取られることを避けるため
そして施工金額の相場を知られる前に契約するためです。
絶対に即日契約はしないようにご両親にお伝えください。
もう一つのご質問について「最近の家でもそういう塗装は必要か?」
ということですが…結論から言うと必要です。
カタチあるものの宿命で
時間の経過とともにどうしても傷んでいきます。
特に 外装は春夏秋冬の厳しい気象条件の中で
長時間 風雨にさらされますので適正なメンテナンスが欠かせません。
これはどんなに高級な家でも一緒です。
残念ながらメンテナンスフリーの家は存在しません。
大手の高級なハウスメーカーの営業マンの中には
高い家を売るために「最初は高いけど 後でお金が掛からない」
という感じで、誤解を招くような説明を口にするそうですが
完全にオーバートークです。
それよりも 本当に大切なのは 将来行うべき
維持修繕を明らかにして それに掛かる費用を
予め長期間掛けて 計画的に準備することです。
国交省のHPを見れば分かりますが
「長期優良住宅」の申請でも維持保全が確実に行えるよう
あらかじめ「維持保全のための資金計画」の提出が求められています。
急な出費としないこと 想定内の範囲の
あらかじめ準備しておいた出費とすべきということですね。